2014.05.03 交際費の800万円控除限度額と、接待飲食費の50%経費算入のはなし


ポイント

・中小企業の交際費の控除限度額は年800万円

・交際費のうち社外接待飲食費の50%を上限無く経費にできる制度が新設された

・いずれか有利な方を選択できる

・社外接待飲食費のうち1人当たり5,000円以下のものは交際費から除くことができる

・1人当たり5,000円以下の接待飲食費を交際費から除くには、書類の記録・保存が要件



原則、会社が支出した交際費は、税金の計算上は経費になりません。


           決算書   申告書

売 上 100 → 100

交際費  40 →   0

利 益  60 → 100


しかし、資本金1億円以下の中小企業の場合

交際費は年800万円まで経費になります。

(平成25年4月1日以後に開始する事業年度から)


交際費とは、

得意先、仕入先、その他事業関係者に対する

接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために

支出するものとされています。


例えば、

・接待目的の飲食費

・中元、歳暮などの贈答費

などが代表格です。


相手方の事業関係者には、自社の役員や従業員も含まれます。


従って、

社内の人だけで行われた飲食費を会社が負担した場合

その実態が、会議費とも、福利厚生費とも認められなければ

社内接待飲食費として交際費になります。


ただし、


接待飲食費のうち

「社外の人との接待飲食費」については

飲食費の総額を参加者数で割り

1人当たり5,000円以下であれば

全額が交際費から除かれます。


例えば

飲食店における接待で

参加者3名(当社2名、取引先1名)

合計15,000円の場合


15,000円÷3名=5,000円≦5,000円


結果、当社2名分を含めた

15,000円が交際費から除かれ

全額が経費になります。


この1人当たり5,000円以下の接待飲食費は

あくまでも「社外の人との接待飲食費」が対象です。


従って、

社内接待飲食費については

たとえ1人当たり5,000円以下であっても

交際費になります。


ただし、


1人当たり5,000円以下の接待飲食費を交際費から除くには

以下の事項を記載した書類の保存が要件です。

・飲食等の年月日

・参加した得意先等の氏名、関係

・参加者数

・金額

・飲食店等の名称、所在地


この要件は、

社内接待飲食費でないことを明らかにするためのものであるため

特に参加した得意先等の氏名、関係、人数の記録は重要です。


具体的には、

領収書の余白に

参加した得意先等の氏名、関係、人数を

メモしておくと簡便です。


このほか

平成26年度税制改正で

交際費のうち、社外接待飲食費の50%を

上限なく経費にできる制度ができました。


これは資本金1億円超の大企業にも適用があります。


中小企業は、

・800万円控除限度額

・社外接待飲食費の50%経費算入

いずれか有利な方を選択することができます。


社外接待飲食費を含めた交際費の総額が800万円以下であれば

800万円控除限度額を選択した方が有利です。


一方、交際費のうち

社外接待飲食費が1,600万円を超える場合、

社外接待飲食費の50%経費算入を選択した方が有利です。


例えば、

交際費総額2,500万(うち社外接待飲食費1,800万円)


・800万控除限度額を選択した場合

経費算入 800万、経費不算入 1700万


・社外接待飲食費50%経費算入を選択した場合

経費算入 900万、経費不算入 1,600万


交際費が経費に落ちやすくなったとはいえ、

あらゆるものが経費に落ちるわけではないので注意が必要です。


800万円控除限度額や社外接待飲食費の50%経費算入は

その経費が交際費に該当した場合に使える制度です。


交際費とはあくまでも事業を行う上で必要な接待費等です。


従って例えば、

事業に関係のない社長の個人的な経費を

会社が支払ったとしても

それは交際費ではなく

役員報酬になります。


役員報酬のうち経費にできるのは主に

・毎月一定額の役員給与

・事前届出制の役員賞与


このいずれかであるため

交際費と経理していたものが

税務調査で役員報酬とされると

どちらにも該当しないため

結果、経費になりません。


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